【10月11日 AFP】イランで8日、服装規定違反を理由に逮捕された女性の死に端を発する抗議デモが続く中、国営テレビがニュース放送中にハッキングされ、炎に囲まれる最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師に銃の照準を合わせる映像が流れた。映像は9日、ソーシャルメディアで拡散された。

 午後9時のニュースの放送中に切り替わった画面には、「お前の手はわが国の若者の血にまみれている」と書かれていた。

 先月13日に服装規定などを取り締まる「道徳警察」に逮捕され、3日後に拘束下で死亡したクルド系イラン人女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)の写真や、抗議デモの弾圧で命を落とした女性3人の写真のほか、「われわれと共に立ち上がれ」と呼び掛けるメッセージも表示された。

 ハッキングを仕掛けたグループは「エダラッテ・アリ(Edalat-e Ali、アリの正義)」と名乗っている。

 アミニさんの死をきっかけに始まった抗議デモは、イラン各地で拡大。首都テヘランでは、「ハメネイに死を」「警察は国民を殺害している」といった文言が看板にスプレーで落書きされている。

 国営イラン通信(IRNA)は、デモ隊が「スローガンを唱え、警察署や公共物に放火して損害を与えた」と報じた。一方、「警察は催涙ガスを使用し、テヘラン市内数十か所でデモを解散させた」などとしている。

 ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によれば、一連のデモ弾圧の死者は少なくとも95人に上る。

 映像前半は8日に流れたハッキング映像。後半はテヘランにある大学で行われた抗議デモ、10日撮影。(c)AFP/Stuart Williams with Frank Zeller in Nicosia