【10月11日 AFP】新型コロナウイルスの水際対策が11日、大幅に緩和され、外国人の個人旅行が2年半ぶりに再開された。円安を背景とした外国人観光客の増加による経済効果が期待される。

 東京国際(羽田)空港(Haneda Airport)にはこの日午前、イスラエル、フランス、英国からの観光客が到着した。

 イスラエルから来た69歳の女性は、「ずっと夢見ていたことがかなった」と語った。「新型コロナ流行の前から旅行を計画していて、待ち続けていた」

 同じくイスラエルから来た学生のイタイ・ガリリさん(22)は、「国境再開」のニュースをまめにチェックしていたと話す。「11日に再開すると聞いてすぐに計画を立て始めた。航空券は高かったが、高すぎるというほどでもなかった」と語った。

 日本は新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)の初期に国境を封鎖。一時は日本に在住する外国人の再入国も禁止していたが、最近になり外国人を慎重に受け入れつつあった。

 6月にはガイド付き団体旅行が認められ、その後、パッケージツアーに限り個人旅行も認められるようになった。

 11日以降は、68の国・地域からの観光客はビザ(査証)なしでの入国が可能となる。入国者数の上限も撤廃され、団体旅行のほか個人旅行も受け入れられる。

 ワクチン接種証明書、もしくは渡航前72時間以内に受けた検査の陰性証明書の提示は引き続き義務付けられる。

 新型コロナの流行前、政府は東京五輪を開催する予定だった2020年までに訪日外国人旅行者数を4000万人とする目標を掲げていた。

 19年には過去最多の3190万人が訪れたが、21年は25万人にまで激減した。

 新型コロナによる死者数は日本では約4万5500人と他の先進国を下回っているものの、今なお感染防止ガイドラインに従っている人が多い。先日には、宿泊施設が、マスク着用といった感染対策への協力に応じない客に対して宿泊を拒否できるようにする法案が閣議決定された。

 マスクは法で強制されてはいないが、屋内や公共交通機関の中だけでなく、政府が混雑していない場合は不要だとしているにもかかわらず、屋外ですらマスクを着用している人は多い。

 大半の施設では入り口に消毒液が置かれ、レストランではしばしばプラスチック製の仕切りが設置されている。(c)AFP/Mathias CENA