【10月8日 AFP】米国のカリーヌ・ジャンピエール(Karine Jean-Pierre)大統領報道官は7日、ロシアが近いうちに核兵器を使用する準備を進めている兆候はないとの見方を示した。ジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は「世界最終核戦争」の危機を警告していた。

 バイデン氏は6日、世界は冷戦(Cold War)が終わって以来初めて「世界最終核戦争」の危機にさらされているとして、米国はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領にとってのウクライナ侵攻の「出口」を模索していると述べた。

 ジャンピエール報道官は大統領専用機エアフォースワン(Air Force One)で、バイデン氏の発言は最新の情報を踏まえたものかとの報道陣の質問に「ノー」と答え、「大統領が表明したのは、核兵器を使用するとのプーチン氏の脅しに対する懸念だ」と説明。「わが国の戦略核態勢を調整する理由もなければ、ロシアが核兵器を使用する準備を進めている兆候もない」と述べた。

 バイデン氏が、ウクライナ侵攻を収拾するため米国はプーチン氏にとっての「出口」を模索していると述べたことについて問われると、米国の立場は変わらないと主張。

「この戦争の責任を負うべきは1国のみだ」として、「それはロシアだ。ロシアがこの紛争を始めた。そしてプーチン氏にはこの紛争をきょうにも終わらせる能力がある」と述べた。

 さらに、「キューバ危機から得られた教訓があるとすれば、核のリスクを減らし、核を振りかざさないことの価値が分かったことだ」と続けた。(c)AFP