【10月8日 AFP】イランで、女性に課されている厳格な服装規定に違反したとして逮捕され死亡したクルド系女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)について、同国の当局は7日、死因は殴打ではなく病気だったと発表した。

 アミニさんは首都テヘランで「道徳警察」に逮捕された際に昏睡(こんすい)状態に陥り、3日後の先月16日に死亡。これを受け同国では、過去3年近くで最大規模の抗議デモが3週間にわたり続き、当局の弾圧により数十人が死亡、多数が逮捕されている。

 アミニさんの両親は、関係した警官を告訴。イラクに住むいとこはAFPに対し、死因は「頭部への打撃」だったと語っている。

 だがイランの法医学機関は7日、アミニさんの死因は「頭部や重要な臓器、四肢への打撃によるものではない」とし、8歳の時に受けた脳腫瘍の手術と関係があると説明した。

 抗議デモでは若い女性の死亡も相次いでいるが、イラン当局がその責任を免れるために遺族をテレビ出演させ発言を強要している疑いも出ている。

 先月20日、テヘランで行われた女性の髪を隠すスカーフ「ヒジャブ」への反対運動に参加した後に行方不明となり、遺体で発見されたニカ・シャカラミ(Nika Shahkarami)さん(16)の母親は6日、娘が当局によって殺害されたと主張。当局から、娘の死についてコメントを出すよう脅されたことを明らかにした。

 また、テヘラン近郊カラジ(Karaj)で開かれた集会で、別の16歳の少女が治安部隊により殺害された疑いも浮上したが、イラン司法当局はこれを否定。検察官の話として、少女はビルから飛び降りて「自殺した」との捜査結果が出ていると説明した。(c)AFP/Stuart Williams with David Vujanovic in Nicosia