【10月7日 AFP】2022年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞が決まったウクライナの人権団体「市民自由センター(Center for Civil Liberties)」の代表は7日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は「国際法廷」で裁かれるべきだと主張した。

 同団体のオレクサンドラ・マトイチュク(Oleksandra Matviychuk)代表はフェイスブック(Facebook)への投稿で、「何十万人もの戦争犯罪被害者が正義を目にする」ためには、プーチン氏やベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領を含む「戦争犯罪人を裁く国際法廷を創設する必要がある」と指摘。さらに、「国連憲章(UN Charter)の組織的違反」を理由に、ロシアを国連安全保障理事会(UN Security Council)から除外するよう呼び掛けた。

 今年の平和賞は、市民自由センターの他、ベラルーシで投獄されている人権活動家アレシ・ビャリャツキ(Ales Bialiatski)氏(60)と、ロシアの人権団体メモリアル(Memorial)が共同受賞することが決まった。

 ビャリャツキ氏の創設した人権団体ビアスナ(Viasna)は、ルカシェンコ政権が強める権威主義体制について記録してきた。1994年から政権を維持しているルカシェンコ氏は、長年にわたりロシアの支援を受けており、同国のウクライナ侵攻を支持する数少ない人物の一人だ。

 ビャリャツキ氏の妻は、平和賞の受賞決定に「感銘を受けている」と表明。ベラルーシの反政権派で、自身も平和賞の有力候補と目されていたスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は、ビャリャツキ氏の受賞は「自由と民主主義のために闘うすべてのベラルーシ人への評価」だと指摘した。

 一方のメモリアルは、1989年に設立されたロシア最大の人権団体だが、昨年12月に最高裁から解散を命じられた。同団体は平和賞の発表を受け出したコメントで、団体の資産押収をめぐり裁判所で同日開かれている審問を非難した。(c)AFP