【10月7日 AFP】ウクライナ南部の工業都市クリビーリフ(Kryvyi Rih)にある金属工場で、手製の対無人機システムが軍用トラックに搭載されようとしていた。鉄の筒に重機関銃を溶接した物で、対ロシア戦で有効性が確認された「DIY兵器」の一つだ。

 南部前線に近い作業場でAFPの取材に応じたセルヒー・ボンダレンコさん(39)は「われわれには技術も設備もあるし、アイデアにも事欠かない」と語る。がっしりとした体つきで、長い黒ひげを蓄えたボンダレンコさんは、ウクライナ軍に属する領土防衛隊の地元指導者だ。

 ボンダレンコさんによると、ウクライナ軍の兵器庫に収められているのは無人機が存在しなかったソビエト時代の物が多く、この手製兵器のような物は存在しなかったという。

 ロシアとは2014年から戦っているというボンダレンコさんだが、「想定していなかった問題が起こった」と話す。数週間前から、ロシアがイラン製の「神風無人機」を使用し、クリビーリフをはじめとするウクライナ南部の都市を攻撃して住民を恐怖に陥れているのだ。

「旅団長が私にこう言った。解決策が必要だ。機関銃があるにはあるが、それしかない」と、ボンダレンコさんは冗談めかして言った。

 重機関銃は、無人機の飛行高度よりもはるかに高い、6000メートル離れた標的を攻撃することができる。この手製兵器が、部隊に不足している対無人機小銃や電波妨害装置といった高価な防空システムの代替になる可能性を秘めている。

 ボンダレンコさんは、ウクライナは「手仕事が大好き」な国なのだと語った。