AFPBB News部門 最優秀賞

©Godong / Robert Harding Heritage / robertharding via AFP

奪われた未来 −窓のそとには−
 

本を脇に抱え、暗い自宅から明るい外を見つめる女性。
現在、アフガン全土で女子生徒の大部分は授業を受けることができていない。
タリバンが来てから、この国にも自分の未来にも希望を見失った。

女性はジャーナリストを志していた。
彼女を閉じ込める部屋の窓ガラスが、その夢さえも断ち切っているようだ。

ジェンダーと教育の問題は日本だってある。
それと向き合うことが、彼女を外へ連れ出す「部屋の鍵」になるかもしれない。

背景・込めた思い

学校に行くことができず、自宅で教科書を抱えて悲しげなまなざしで窓の外を見つめるアフガンの女性。この写真は、窓の外と中、光と影の対比が、男女格差を表していると感じた。ガラスの壁は日本にも存在する。透明な壁が見えるようになるために必要なのは、知らないという自覚や他者への想像力。自分は日本にいる男性で、しかも大学に通うことができている。写真の彼女と全く異なる立場からメッセージを発信することに意義があると感じた。社会問題に関心を持ったり発言したりすることに特別な権限はいらない。「社会は変えられる」という実感を多くの人と共有したい。
濵崎 青也(21歳/早稲田大学/東京都)

 

審査員講評

◆私たちが普段享受している当たり前の権利が何一つ当たり前ではないことを伝えている。作者は写真からインスピレーションを感じながら、独自のメッセージを発信している。
◆プレゼンテーションでは、自分自身の言葉でしっかりと伝え、このテーマを選んだ理由も明確に説明。この写真から「ガラスの天井」という言葉をリンクさせて書いているところが秀逸。クオリティーの高い作品。

 

AFP Forum部門 最優秀賞

©Nikolay DOYCHINOV / AFP

突如奪われた日常
 

2022年3月2日、パランカの町付近でモルドバとウクライナの国境の検問所を通過し、テディベアを抱きしめるウクライナから逃れてきた子供。

この少女が持っているくまのぬいぐるみは、彼女にとってかつて当たり前だった日常と、逃げられない目の前の現実をかろうじてつなぎ合わせているのではないだろうか。日常が突如奪われても、かつてと今をつなぎとめる何かにすがりたい気持ちをぬいぐるみを握る腕から感じ取ることができる。

学び、想像し、日常を奪われる人々に想いを馳せることが今私たちにできることの一つではないだろうか。これ以上何の罪もない人々の日常を奪ってはいけない。

背景・込めた思い

私は長崎で生まれ育ち、子どもの頃から平和教育を受けてきた。その中で感じたのは、戦争は市民の生活を一瞬にして、しかもむごい形で奪ってしまうこと。ロシアによるウクライナ侵攻でも、同じことが起きている。写真の少女は現実を受け入れることができず、日常をつなぎ止めるためにぬいぐるみを持っていると感じた。ぬいぐるみは日常の象徴。今回は「日常」をテーマに戦争の恐ろしさを伝えようと思った。私たちにできることは限られているが、普段から学び、想像し、一人ひとりの日常に思いをはせることで、何が正しく何が間違っているのかを判断できるのではないか。
尾形 巴(21歳/早稲田大学/東京都)

 

審査員講評

◆写真の少女が見つめるレンズの先にいるのは私たち自身。ウクライナから遠く離れた日本にいる私たちが何を感じて何を考えるか、そして何ができるのかを問い掛ける作品。
◆写真のインパクトが強い。今、世間の関心があるトピックだからこそ難しい題材。日常にフォーカスすることで、一人ひとりみんな自分事として感じられるようなメッセージになっている。

 

AFPBB News部門 優秀賞

©Fabrice COFFRINI / AFP

みんな幸せになっていい。法は、そのために
 

大切な人が居てくれたら、それだけで人は笑顔になれる。

大切な人だから、怪我や病気で辛いときこそ、そばにいて支えてあげたい。

私がもしものときは、大切な人に看取ってほしい。

大切な人だから、私がこの世にいなくなっても、これまでの生活を続けられるよう、遺産を残したい。

その人が異性でも同性でも。より多くの人がずっと笑顔で過ごせる、そんな世界を作りませんか。

背景・込めた思い

結婚式を正式に挙げることができ、満面の笑みを浮かべる同性カップル。世界が暗い方向へと向かう中、私はこの笑顔を見てホッとした。そして、身近な人から笑顔を広げ、社会を笑顔で満たしたいと思った。人は大切な人と共にいるだけで、幸せを感じることができる。同性婚を合法化することで、より多くの人が大切な人と、笑顔で過ごせるようになる。この写真を通して、全ての人のためにある法律の力を使えば、幸せを増やすことができるということを伝えたい。
佐藤 郁夫(20歳/国際基督教大学/東京都)

 

AFPBB News部門 優秀賞

©Ahmad SAHEL ARMAN / AFP

勉強したいだけなのに。
 

One child, one teacher, one book, and one pen can change the world. Education is the only solution.

パキスタンの教育活動家、マララ・ユスフザイさんのこの言葉を覚えているだろうか。

女子への学校教育を禁じるタリバンのメンバーに銃撃されても、一貫して教育の重要性を訴え続けた彼女のこの言葉から9年。今度は、タリバンによってアフガニスタンで女子の「教育を受ける権利」が奪われている。友達と楽しげに登校する女子生徒の姿からわずか11時間後、中等教育の停止が発表されたのだ。

背景・込めた思い

教育を受ける権利を訴えるマララ・ユスフザイさんは、女子教育を禁じるタリバンに銃撃されてしまう。一方で自分は、教育を当たり前に享受している。この対比に心が痛み、それ以降、世界中の子どもに質の高い教育を届けることが私のテーマとなった。アフガニスタンでは今、少女たちが教育を受ける権利を奪われている。私たちにできることは彼女らに代わって声を上げ、同世代に伝えることだと考え、この写真を取り上げた。アフガニスタンでは「当たり前」ではない、彼女たちの楽しそうな登校の姿を目に焼き付けてほしい。
横山 果南(23歳/東京大学/神奈川県)

 

AFP Forum部門 優秀賞

©Wojtek RADWANSKI / AFP

ウクライナ危機から難民支援の輪を広げる
 

「二重基準」「人種差別」――。欧州が、中東難民と比較して、はるかに積極的にウクライナ難民を受け入れていることに対し、批判が上がっている。

受け入れにおける格差は、ポーランドで顕著だ。従来最も受け入れに消極的な国の一つだったが、現在はウクライナ難民の半数以上を受け入れている。

ウクライナ難民は、難民キャンプではなく、欧州諸国の生活圏で受け入れられている。そこで支援を行うのは、地元行政と企業、一般市民などである。

中東難民を同様に受け入れることは、言語や文化の違いから厳しいかもしれない。しかし、市民が自ら難民を受け入れた経験は、難民支援に対するハードルを下げたはずだ。これを中東難民の支援にも繋げたい。

背景・込めた思い

私は大学に入ってから難民問題に関心を持って活動してきた。ウクライナ難民がヨーロッパ諸国で積極的に受け入れられていることに関しては、(他地域の難民と比較して)人種差別の側面があると思う。しかし、この写真を通して、難民受け入れの現場では一生懸命活動している一般市民や企業、地方行政の人々がいることが分かった。その努力をしっかりと評価しサポートした上で、他地域の難民の支援拡充にどのようにつなげていけるか議論していきたい。
山田 明日見(22歳/国際基督教大学/東京都)

 

AFP Forum部門 優秀賞

©Delil souleiman / AFP

世代を超えたゴミ回収
 

キャンプに避難を余儀なくされたシリア人の多くは、難民キャンプの向かいにあるごみ捨て場からプラスチックや金属片を拾って売り、生活している。

親から子ども、そして孫の世代まで難民のまま過ごす人も少なくなく、難民キャンプで生まれ難民キャンプで一生を終える人もいる現状を忘れてはならないと考える。

世代が変わっても難民から抜け出せない原因の一つに教育の不十分さが挙げられる。難民キャンプで十分に教育が受けられなければ、その生活から脱却することも難しいだろう。

教育を受ける権利は誰にでも保障されるべきものであり、子どもの難民への教育が不十分である現状を私たちは心にとどめておく必要がある。

背景・込めた思い

昨今ウクライナの難民に注目が集まっている。しかし、ウクライナ以外にも難民がいるということを伝えたいと思い、シリア難民の子どもの写真を選んだ。親から子ども、そして孫の世代まで難民という境遇から抜け出すことができず、難民キャンプで一生を過ごす人もいる。その原因の一つに教育の不十分さが挙げられる。教育を受ける権利は誰にも保障されるべきもの。その権利を難民の子どもたちが享受できていないことを心にとどめてほしい。
加藤 沙也花(21歳/東京女子大学/神奈川県)