【10月7日 AFP】8日に英ロンドンのO2アリーナ(O2 Arena)で予定されていたボクシングの試合を前に、コナー・ベン(Conor Benn、英国)が禁止薬物に陽性反応を示したことにより、クリス・ユーバンク・ジュニア(Chris Eubank Jr、英国)とのファイトが「正式」に延期された。両陣営のプロモーターが6日、明らかにした。

 英国ボクシング管理委員会(BBBofC)がこの一戦を「差し止め」にし、「ボクシングの利益にならない」との判断を下したことを受け、マッチルーム・ボクシング(Matchroom Boxing)のエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏とワッサーマン・ボクシング(Wasserman Boxing)のカッレ・ザウアーランド(Kalle Sauerland)氏は、試合の開催を断念した。

 これに先立ちBBBofCは6日、ボランティア反ドーピング機関(VADA)が実施した検査で、男性のテストステロン値を高めるとして禁止薬物に指定されている不妊治療薬のクロミフェン(clomiphene)が微量に検出されたと公表していた。

 両プロモーターはコメント文で、「各関係先と協議した末、クリス・ユーバンク・ジュニアとコナー・ベンの試合を正式に延期することに決めた」とした上で、「試合の認可を取り消すBBBofCの決断には、手続き上の不備があり適正な手続きを踏んでいないことは否定できない。そのため、当プロモーター側と同委員会の法的問題は残されたままであり、われわれはこの問題を追及していく所存である」と述べた。

 1990年代には、英国ボクシング界きってのライバル関係とされている両選手の父親が2度対戦しており、今回が両家にとって3度目の対戦となっていた。両ボクサーは71キロのキャッチウエートで戦うことに合意しており、ベンが2階級上げるのに対してユーバンク・ジュニアは約1.36キロの減量を義務付けられていた。(c)AFP