【10月6日 AFP】フランスの立体派(キュビズム)の画家フェルナン・レジェ(Fernand Leger)のキャンバス画の裏に、100年以上にわたり別の絵が隠されていたことが分かった。オランダの美術専門家らが6日、発表した。

 ハーグ(Hague)の美術品修復スタジオ「リディバイバス(Redivivus)」によると、今回見つかった「屋根の上の煙(Smoke over the Rooftops)」は1911~12年ごろの作とみられている。この約1年後に描かれた「パリ祭(Bastille Day)」の裏から見つかった。

 絵は一部が損傷し、接着剤のようなものが塗られていたが、慎重な修復作業が行われた。そして、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)と同世代のレジェの「転換点」となる作品であることが分かったという。

 見つかった作品は、レジェのアトリエからノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)の方を見た際に見えるパリの家々の屋根を描いた連作の一つとみられ、煙が立ち上る煙突を何本も描いている。

 オランダの美術史家シュラール・ファン・ヒューフテン(Sjraar van Heugten)氏によると、屋根の連作はこれまで7枚しか現存が確認されていなかった。今回新たに見つかった絵には、レジェの色使いや抽象化において「極めて重要な」進歩が見られるという。

 オランダ中部のクレラー・ミュラー美術館(Kroller-Muller Museum)で、今回発見された絵も含め、11月19日から来年の4月2日まで屋根の連作の展示が行われる。

 キャンバスの両面を観賞できるようガラスのキャビネットの中で展示されるという。(c)AFP/Danny KEMP