【10月6日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデン・アカデミー(Swedish Academy)は6日、2022年のノーベル文学賞(Nobel Prize in Literature)を、フランスの作家で、 社会階層やジェンダーに関する自伝的な作品を発表しているアニー・エルノー(Annie Ernaux)氏(82)に授与すると発表した。

 同アカデミーは「ルーツや離別、個人的な記憶による集合的な抑制を明るみに出した勇気や事実に基づいた鋭敏さ」が同氏の作品には存在しているとたたえた。

 20冊以上の著作は、フランスの学校の教科書に多くが採用され、現代フランス社会を観察するための最も鋭く本質を突いた作品のうちに数えられる。

 アカデミーは「エルノー氏は作品の中で、一貫して多角的な視点から、ジェンダーや言語、階層に関して非常に大きな格差に特徴付けられる人生を観察している」「彼女の作品に妥協は存在せず、平易な言葉で書かれている」と分析した。

 さらに「階層による体験の苦悩を明るみに出し、恥や屈辱、嫉妬、自己認識の難しさを表現し、称賛すべき永続的なものに到達した」と評価した。

 賞金は1000万クローナ(約1億3100万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。(c)AFP