【10月6日 AFP】(更新、写真追加)タイ東北部ノンブアランプー(Nong Bua Lam Phu)県で6日、銃や刃物で武装した元警察官の男が保育施設を襲撃し、子ども23人を含む35人が死亡、さらに12人が負傷した。警察が明らかにした。

 事件は午後0時半(日本時間同2時半)ごろ発生。男は現場で銃を乱射し、ピックアップトラックで逃走した。県警察幹部によると、男はその後帰宅し、妻子を殺害した上、自殺した。

 県警は男を、パンヤー・カムラープ(Panya Khamrab)容疑者(34)と断定。麻薬の使用を理由に、昨年解雇されていたという。

 逃走中のパンヤー容疑者を目撃したという女性によると、容疑者は危険運転をしており、バイク1台に突っ込んで2人が負傷。女性は無事だったものの、「辺り一面、血だらけだった」と振り返った。麻薬常用者として地元で知られていた男だとしている。

 タイは「黄金の三角地帯(Golden Triangle)」と呼ばれる世界有数の麻薬の密輸拠点の一角を成しており、使用者が多い。

 国連薬物犯罪事務所(UNODC)によると、覚せい剤の一種メタンフェタミンの供給が急増しており、末端価格が過去最低レベルに下がっている。

 タイでは銃所有率は高いとはいえ、銃による大量殺傷事件は極めてまれ。だが英字紙バンコク・ポスト(Bangkok Post)は、直近1年に少なくとも2件の銃乱射事件があり、容疑者はいずれも現役の兵士だったと報じている。(c)AFP