【10月5日 AFP】欧州が天然ガスの供給不足に見舞われる中、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は3日、タートルネックセーター姿で公務に臨んだ。仏政府内でタートルネックは暖房費の節約努力を示すシンボルとなり、この秋の「流行アイテム」となっている。

 この服装をめぐり、マクロン氏に対してはインターネット上や政敵から、からかうような声が聞こえた一方で、支持者からは、不要な暖房の節約を奨励している姿勢が好意的に受け止められた。

 フランス政府は、室内の温度が19度未満になった場合にのみ暖房を使用するよう、国民に呼び掛けている。

 エリザベット・ボルヌ(Elisabeth Borne)首相は3日、国民がエネルギー消費を減らす努力をすれば、同国は冬を迎える準備ができていると述べた。

 ロシアのウクライナ侵攻に関する議会討論に臨んだ首相は「何が起ころうとも、この冬への備えはできている。今のような事態は想定していた」と明言。ガスの備蓄が100%に近く、液化天然ガス(LNG)を処理できる港湾ターミナルの能力も向上させてきたと説明した。

 首相はさらに、「大統領は昨夏、省エネ計画を発表した。皆が協力すれば、向こう数か月間を停電のリスクなしに乗り切ることができる」と述べた。

 同国は電力の大半を原子力でまかなっているものの、腐食問題や保守点検のために稼働を停止している原子炉が本来の発電能力の半分に相当しており、苦慮している。

 映像序盤と終盤はタートルネックで演説や公務に臨んだマクロン氏。演説の映像はフランス大統領府が3日撮影・提供。映像中盤は議会で登壇したボルヌ氏、同日撮影・提供。(c)AFP