【10月5日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)前首相は4日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のナンセン難民賞(Nansen Refugee Award)を受賞した。在任中の難民保護への取り組みが評価された。

 ナンセン難民賞は難民保護に貢献した人や団体を表彰するもので、選考委員会は、シリア内戦などで移民危機が頂点に達した2015~16年にドイツが120万人以上の難民を受け入れた点に言及。メルケル氏の「リーダーシップと勇気、思いやりの精神」をたたえた。

 メルケル氏は当時、難民受け入れに当たり、「欧州の価値がかつてないほどに試されている。人道上、不可欠だ」と語っていた。

 UNHCRは、メルケル氏が国民に対し、分断をもたらすナショナリズムを拒否し、「思いやりと寛容の精神」を持つよう訴えた点を強調した。

 フィリッポ・グランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は、「100万人を超える難民が生き延び、生活を立て直すのを支援することで、メルケル氏は偉大な道徳的・政治的な勇気を示した」として、人権や人道主義の原則、国際法を守るために立ち上がった同氏の姿勢を称賛した。(c)AFP/Nina LARSON