【10月5日 AFP】今年に入って2回目のクーデターが起きた西アフリカ・ブルキナファソで4日、ロシアを支持するデモが行われた。一方、旧宗主国フランスに対しては反発が強まっている。

 AFP記者によると、首都ワガドゥグで数十人規模のデモ隊が「ロシア・ブルキナファソ間の協力に万歳」と書かれた幕を掲げたり、ロシア国旗を振ったりしながら行進した。

 一方で、フランスについては「くたばれ」、ブルキナファソも加盟する西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)に対しても「干渉をやめよ」と抗議。ECOWASをめぐっては、西側諸国、特にフランスの利益を支援しているとの批判も浮上している。

 ブルキナファソでは、イブラヒム・トラオレ(Ibrahim Traore)大尉が主導する勢力が新たなクーデターを起こし、1月のクーデターで政権を掌握していたポールアンリ・サンダオゴ・ダミバ(Paul-Henri Sandaogo Damiba)中佐を追放した。

 トラオレ大尉は4日夜、デモ参加者に謝意を表明。ただ、占拠している公共の場からは立ち退くよう求めた。

 ロシアでは、民間軍事会社「ワグネル(Wagner)」の創設者エフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)氏が、トラオレ大尉の決起を受けて「祝意と支援を表明する」と歓迎した。ワグネルは中央アフリカやマリでも活動が確認されている。

 トラオレ大尉については、アフリカの他の旧フランス植民地に追随し、フランスとの関係を断ち、新たにロシアとの関係強化を目指すのではないかとの臆測が広がっている。

 米国務省のベイダント・パテル(Vedant Patel)副報道官は記者団に対し、「(ワグネルが)展開している国は弱体化、不安定化している。アフリカだけでもそうした事例を多数見てきた」と語り、ブルキナファソ軍事政権に対し、ロシアと関係を強化することの危険性を警告した。(c)AFP