【10月5日 AFP】インドネシア東ジャワ(East Java)州マラン(Malang)のサッカー競技場で先週末に発生した雑踏事故で、地元警察トップは4日、安全対策に不備があったとして謝罪した。地元保健当局によると、事故の死者は6人増え、131人となった。

 東ジャワ州警察のニコ・アフィンタ(Nico Afinta)本部長はマランで記者会見し、「安全対策に不備があったことに対し懸念と悲しみを覚えると同時に、申し訳なく思っている」と表明した。

 目撃者によると、事故が起きたきっかけは、ピッチに乱入した地元チーム、アレマ(Arema FC)のサポーターを鎮圧しようとした警察が、観客席に催涙弾を撃ち込んだことだった。警察は、人々が「暴動」を起こしたとし、警官2人が死亡したと説明。だが生存者は、警察による過剰反応だったと非難している。

 目撃者や当時の映像によると、警棒を持った警官は、ピッチに侵入したサポーターを殴る蹴るなどし、観客席に押し戻した。この際に観客席へ催涙ガスが放たれ、多数の人が踏みつけられたり窒息したりして死亡した。

 アレマのファンクラブ関係者はAFPに対し、「もし暴動が起きたのであれば(催涙ガスを)観客席ではなくピッチに向かって噴射すべきだ」と批判した。

 3日には、事故を受けてマランの地元警察署長が解任され、警官9人が停職処分を受けた。さらに警官19人に対する調査が行われている。国家警察の報道官によると、停職処分を受けた警官は、過激な群衆鎮圧手法で知られる特殊部隊「ブリモブ(Brimob)」に所属している。(c)AFP