【10月6日 Xinhua News】中国広東省(Guangdong)珠江口盆地海域にある南中国海陸豊油田作業区で3日、深海用ジャケット(固定式海洋プラットフォームの土台となる構造物)「海基1号」が稼働した。高さ340・5メートル、総重量4万トン以上で、国内にある単体の石油生産プラットフォームの記録を塗り替えた。

「海基1号」は中国石油・ガス生産大手の中国海洋石油集団(CNOOC)が独自に設計、建造。今回、同時に5本の生産井が稼働し、初期段階の日産量は約2700トンとなる。CNOOCでは「海基1号」により、「陸豊15-1」と「陸豊22-1」の両油田を同時に開発。生産井が14本、注水井が3本となり、全て稼働した際には日産量が5千トンに達する。

 同集団深圳分公司の鄧常紅(Deng Changhong)副総経理は「陸豊15-1」の稼働式で、「海基1号」の稼働により中国の水深300メートル級石油・天然ガス田資源開発の新たなモデルが開かれたと説明。中国が深海油ガス探査開発における重要コア技術と設備製造を掌握し、国内深海油田の2次開発の道を切り開いたと述べた。

 同分公司陸豊油田作業区の呉意明(Wu Yiming)総経理は、「海基1号」が百年に一度の厳しい海況にも対応できるよう設計されていると紹介。南中国海の強い波や潮流、海底の大規模な砂波や砂堆、超大型構造物の所定の位置への正確な設置など、一連の世界的な難題を解決し、世界初2件と国内初21件の先進技術を開発し、設計・建造から運用・管理までの全面的向上を実現したと述べた。

 同集団ではこの10年間に深海用油井プラットフォームが3基から10基に増え、うち大水深が3基で、最大作業水深が3千メートルに達している。同集団は現在、南中国海北部の深海海域で11カ所の油ガス田を探査、開発しており、油ガス生産量は1千万トン以上となる。

 同集団の汪東進(Wang Dongjin)董事長は、中国の深海油ガス探査開発は依然として初期段階にあり、新たな貯蔵量や生産量の増加の見通しは明るいと指摘。現在、南中国海の鶯歌海、瓊東南、珠江口の3海底盆地の天然ガス確認埋蔵量は約8千億立方メートルで、うち珠江口盆地で多くの深海油田が見つかっていると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News