【10月4日 AFP】国際原子力機関(IAEA)は3日、ロシアの占領下にあるウクライナのザポリージャ(Zaporizhzhia)原子力発電所の所長で、先月30日にロシアに拘束されていたイホール・ムラショウ(Ihor Murashov)氏が解放されたと発表した。

 IAEAのラファエル・グロッシ(Rafael Grossi)事務局長はツイッター(Twitter)への投稿で、ムラショウ氏が無事に家族の元に戻ったことを確認したと説明。同氏の解放を「歓迎する」と表明した。

 ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)のペトロ・コーチン(Petro Kotin)社長によると、ムラショウ氏は30日、原発から近くのエネルホダル(Energodar)に車で向かっていた途中、「ロシアの巡視隊」に制止され、目隠しをされて連行された。

 欧州最大の原発であるザポリージャでは、敷地内と周辺地域に対する攻撃が相次いでおり、ロシアとウクライナ両国は相手側による攻撃だとして互いを非難。原子力事故の懸念が高まっている。ロシアは30日、同原発のあるザポリージャ州を含むウクライナ4州の併合を宣言した。

 ウクライナは1日、ムラショウ氏の即時解放を求め、ロシアの「違法な拘束」を非難していた。(c)AFP