【10月8日 People’s Daily】中国郵政(China Post)が最近発表したデータによれば、中国ではこの上半期、速達小包業務が累計512億2000万件を達成し、前年同期比3.7%を記録した。業務収入は累計4982億2000万元(約10兆1000億円)にのぼり、同期比2.9%の増加となった。速達小包業務の割合が中国中部地域では1.1%、西部地域では0.3%上昇した。地方農村にも速達小包が届くようになり、農産物の都市への流通ルートが整備され、農産物市場が活況を呈している。

 速達小包ネットワークの延伸は、農村での生活をおおいに便利にし、農村の潜在的な消費力を刺激してもいる。かつて、速達を送ったり受け取ったりするためには、町まで行かなければならない場合もあって非常に不便だった。2020年に発行された「農村への速達小包業務拡大3年計画」によれば、2022年末までに、条件にあう村には基本的に速達が届くようにするという。去年、中国の農村部における速達小包業務の普及率は80%を越えた。僻地も速達小包のネットワークに組み込まれ、小包の流通がさらにスムーズになった。ますます多くの農村がスピーディーにオンラインショッピングをできるようになった。

 速達小包業務の農村への導入は、農村に新しい空間を開拓している。速達小包のネットワークにより、農村におけるEコマース発展の基礎が強固なものとなり、ますます多くの製品が農村で生み出され、都市に流れ込み、細分化・個人化した消費者ニーズを満足させると同時に、農民の収入増への道を拓いている。例えば2021年には、農村地域における速達小包の通年流通量が370億件に達し、農村から都市へ送られる農産物と都市から農村へ送られる工業製品の額は1兆8500億元(約37兆5000億円)を越えた。速達小包とともに「消費」が農村に入り込み、住民の生活水準は向上し続けている。また農産物をより良い運送条件で送ることができるようになり、経済状況も上向いた。同時に、農村の物流がスムーズになり、地域の特色を前面に出した産業も拡大しており、影響力ある地域ブランドの形成や農業・農村の現代化など新しい動きが生まれている。

 速達小包の発達により、就職の新たなチャンスも生まれた。ひとつは、速達小包の末端拠点が整うことにより、多くの配達員が地元に帰って働くことができるようになったことだ。もうひとつは、農村における物流の問題が解決することにより、農村で急速にEコマースが発展し、ライブコマースやショート動画営業などのモデルが確立したことである。質の良い農産物などの商品が販売ルートに乗って、より多くの農民が企業の舞台にのぼることができるようになった。家の近くで創業・就業できるようになり、速達小包の登場は農村の人たちの生活に大きな変化をもたらしている。

 速達小包は大きな発展を促進した。これが農村に深く入り込むにつれて、より多くの農村が現代的な物流ネットワークに組み入れられていき、より多くのチャンスがもたらされることは疑いない。(c)People’s Daily/AFPBB News