【10月3日 AFP】ブラジルのアマゾン(Amazon)熱帯雨林でボートに乗った、頭にビーズ飾りを着けた先住民の一団。大統領選の有力候補、ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)元大統領の「ルラ」の頭文字「L」を手で作ってみせた。

 先住民カンベバ(Kambeba)の人々は2日、多くのブラジル人と同様に大統領選の投票所となっている学校に出向いた。違うのは交通手段だけだ。

 先住民の文様があしらわれた白い服を着たライムンド・クルス・ダシルバ(Raimundo Cruz da Silva)副首長(42)は「民主主義を守るために闘うこと、先住民を尊重・尊敬してくれる人に投票することが重要だ」と述べた。

 マナウス(Manaus)から約60キロ離れた先住民保護区にあるダシルバさんの村トレスウニドス(Tres Unidos)から投票所まではボートで5分ほど。村人の多くと同様、ダシルバさんもルラ氏に投票するつもりだ。

 90万人余りいるブラジルの先住民の多くは、ジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権下の4年間は悲惨なものだったと考えている。

 極右のボルソナロ大統領は、特にアマゾン熱帯雨林の開拓を後押しするなど環境破壊を助長するとともに、先住民の土地での採鉱を推進した。

 2003~10年に大統領を務めた左派のルラ氏は、先住民と衝突することもあったが、任期中に森林伐採は劇的に削減された。

 今回の大統領選では、先住民問題を扱う省を創設し、森林伐採については二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指すと公約に掲げている。(c)AFP/Orlando Junior