【10月3日 AFP】イランで服装規定違反を理由に逮捕された女性が死亡した事件を受け、同国のイスラム体制を批判するデモが2日、フランス・パリで行われた。数千人がレピュブリック広場(Place de la Republique)からナシオン広場(Place de la Nation)まで行進し、イラン国内で事件後に広がった抗議行動に連帯を示した。

 パリ在住のイラン系の学生ギルダ・トラビさんは、「今回ばかりは女性が立ち上がり、男性も加わっている。今こそ物事を変えようとする時だ」と語った。

 イランでは先月16日、クルド系イラン人女性マフサ・アミニ(Mahsa Amini)さん(22)が服装規定に違反したとして「道徳警察」に逮捕され、勾留中に急死。国内で抗議行動が広がった。

 人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によると、当局の弾圧でこれまでに92人が死亡し、インターネットも遮断された。しかし、2019年以来最大規模となる抗議行動は今も連日続いている。

 エブラヒム・ライシ(Ebrahim Raisi)大統領は2日、抗議行動について「敵が共謀している」ものだと改めて非難するとともに、その試みは「失敗した」と主張した。

 パリのデモでは、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が国連総会(UN General Assembly)出席のため米ニューヨークに滞在中、アミニさん死亡直後にライシ氏と会談したことを指弾する声も上がった。

 イラン当局への抗議デモは、米ロサンゼルスやカナダ・トロントでも行われた。(c)AFP