【10月3日 AFP】シリアの政府軍と反体制派によって分断された前線の町タデフ(Tadef)で、子どもたちが学校に戻って来た。爆撃を受けた校舎の教室に窓ガラスはなく、ドアも机も椅子もない。電気さえ通っていない。

 校庭では、ピンク色のバックパックを背負った女の子たちが、青いバックパックの男の子たちと一緒に遊んでいる。

 北部アレッポ(Aleppo)から東へ約30キロ離れたタデフは、10年以上に及ぶシリア内戦で大打撃を受けた。今ではこの一帯は、トルコが支援する反体制派と政府軍とを二分する静かな戦線と化している。

 地元の学校8校のほとんどは完全に破壊された。だが先週、そのうちの1校が再開し、タデフの反体制派地域の児童約300人を迎え入れた。

 子どもたちは算数の授業を受けるために、うす暗い仮設教室に集まっていた。

 この学校再開は、戦禍に見舞われたシリア北西部で、子どもに教育を施すために行われた数多くの懸命な努力のうちの一つだ。国連(UN)によると、北西部では学齢児童の44%が教育の機会を与えられていない。

 同地域の総人口400万人超のうち、子どもは半分以上を占めている。

 2人の子どもの親でもあるタデフ市長モハメド・アキル氏は「学校が受け入れることができるのは、児童3000人のうち300人だけです」と語った。

 映像は9月26日撮影。(c)AFP