【10月2日 AFP】ロシアからバルト海(Baltic Sea)経由で欧州に天然ガスを輸送する海底パイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」が損傷してガス漏れが発生した問題で、このうち「ノルドストリーム2」からの漏出は止まったと、運営会社がAFPに明かした。

 広報担当者によると、ノルドストリーム2ではパイプライン内のガスの圧力と水圧がほぼ同じになったため、漏出が止まった。ただ、パイプライン内にはまだガスが残っているが、残存量の把握は難しいとしている。

 一方、より規模の大きい「ノルドストリーム1」のガス漏れ状況に関する最新情報は得られていない。

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐる西側の制裁と、その報復とみられるロシアから欧州へのガス供給削減を受け、緊張の渦中にあったノルドストリームで発生した4か所のガス漏れは、国家が関与した破壊工作との疑いが浮上している。

 デンマーク、スウェーデン両国は9月30日、パイプラインの損傷は爆薬数百キロ相当の爆発力を持つ水中爆発によって「意図的に」引き起こされたとの見方を示した。しかし、爆発原因は不明で、ロシア、米国ともに責任を否定している。(c)AFP