【10月2日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するレッドブル(Red Bull)のクリスチャン・ホーナー(Christian Horner)代表は1日、チームが予算制限を超過していたというライバルチームの主張は「架空の話」であり、「非常に中傷的」だとして行動を起こすか検討していると話した。

 独誌アウト・モートア・ウント・シュポルト(Auto Motor und Sport)と伊スポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)が、2021年にレッドブルとアストンマーティン(Aston Martin F1)が予算上限を破っていたと報じると、現在開催中の第17戦シンガポールGP(Singapore Grand Prix 2022)のパドックでは臆測が飛び交った。

 モータースポーツ界を統括する国際自動車連盟(FIA)は昨年、レースの競争性を高めるため初めて予算制限を導入し、各チームの上限額を1億4500万ドル(約210億円)とした。

 フェラーリ(Ferrari)のレーシングディレクターを務めるローラン・メキエス(Laurent Mekies)氏は英BBCに対し、「2チームが2021年の予算制限を破ったのは、今となっては周知の事実である」とコメント。メルセデスAMG(Mercedes AMG)を率いるトト・ヴォルフ(Toto Wolff)代表も英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対し、予算上限の違反は「パドックで公然の秘密」であったと明かしている。

 怒りをにじませたホーナー代表は、シンガポールでこの発言を撤回するよう求めた。

「きのうの二つのライバルチームによるコメントには少し面食らった。FIAに提出した書類は機密扱いである。そういった架空の主張の情報源がどこなのか、ぜひ知りたいものだ」

「非常に中傷的だ。彼らには怒りを覚えている。発言を明確に撤回しなかった場合、われわれはこれを非常に深刻に受け止め、どのような選択肢があるのかを検討することになる」

 来週この件について調査結果を報告することになっているFIAは、パドックでのうわさについて「根拠がない」とコメントした。

 FIAは上限額の5パーセント未満であれば「軽微な」違反とみなし、ドライバーやコンストラクターに罰金やポイント剥奪といった処分を科すが、それ以上の「重大な」違反があった場合、最も厳しいペナルティーは選手権からの追放となる。

 レッドブルが予算制限に違反していた場合、物議を醸した2021年の最終第22戦アブダビGP(Abu Dhabi Grand Prix 2021)でマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)が獲得した初の総合優勝に暗い影を落とすこととなる。(c)AFP/Daniel HICKS