【10月1日 AFP】日本プロレス界の大スターで、政界にも進出したアントニオ猪木(Antonio Inoki)氏(本名:猪木寛至<Kanji Inoki>)が1日、79歳で死去した。NHKによると、死因は心不全とされている。

 約190センチの長身を誇った猪木氏は、日本総合格闘技界のパイオニア的存在で、1976年には当時のボクシング世界ヘビー級王者モハメド・アリ(Muhammad Ali)と対戦。レスラー対ボクサーの異種格闘技となったこのファイトで世界に名をはせ、1998年に競技生活から引退した。

 政治家としては、1989年にスポーツ平和党(現在は解散)から出馬した参議院選挙で当選した後、1990年の湾岸戦争(Gulf War)発生前に日本人41人の人質解放を求めてイラクへ向かったこともある。1995年には議席を失ったものの、2013年に別の政党から国政復帰を果たした。

 猪木氏は長年、独自ルートで北朝鮮との強い関係を築いており、同国による日本人拉致問題の解決に協力すべく、2019年に政界から退くまで何度も訪朝。「スポーツを通じて世界平和に貢献」したいと述べ、北朝鮮で総合格闘技やレスリングのイベントを開催したり、同国の高官ともたびたび面会したりしていた。(c)AFP