【10月1日 AFP】国際ボクシング協会(IBA)は30日、ウクライナ侵攻が始まった今年2月以降、大半の競技から除外されているロシアとベラルーシの選手について、国際大会への復帰を認めるよう訴えた。ボクシング界は、両国の大会出場を禁止していない。

 こうした要請を打ち出す最初の団体となったIBA自身も、度重なる汚職スキャンダルで2019年に国際オリンピック委員会(IOC)から資格停止処分を受けており、2024年パリ五輪の後、五輪競技から消滅するリスクに直面している。

 IBAの会長を務めるロシア人のウマル・クレムレフ(Umar Kremlev)氏はこの日、コメント文を発表し、「スポーツは政治の外にある。すなわち、それ(スポーツ)が始まる場所では、政治は終わる」とし、「ロシアとベラルーシの選手全員について、それぞれの国を代表して各競技の公式大会に参加することを認めるときが来た」と訴えた。

「IOCと各国際競技団体はどちらもアスリート全員を守る必要があり、国籍で差別してはならない。スポーツとアスリートを政治から遠ざけるのは、われわれ全員の義務だ」

 これに先立ち、IBAは9月25日の総会において、物議を醸す理由でウクライナ・ボクシング連盟(BFU)の資格停止処分を決定したが、イタリアで今月5日まで開催されているジュニアの欧州ボクシング選手権(EUBC Junior European Boxing Championships 2022)については、政治的中立の立場としてウクライナ選手の参加は認めた。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長はこの日、伊紙コリエレ・デラ・セラ(Il Corriere della Serra)でのインタビューで、2月下旬に下した勧告を「現時点で維持することに変わりない」と述べた。(c)AFP