【10月1日 AFP】米南部フロリダ州に壊滅的な被害をもたらしたハリケーン「イアン(Ian)」が9月30日、カテゴリー1の勢力を伴い南部サウスカロライナ州に再上陸した。

 米国立ハリケーン・センター(NHC)によると、イアンは米東部時間の午後2時5分(日本時間10月1日午前3時5分)、サウスカロライナ州ジョージタウン(Georgetown)付近に上陸。最大風速は約39メートルだった。

 イアンは前日、米国を直撃したハリケーンで過去最大級の勢力を伴いフロリダ州に上陸。当局によると、少なくとも21人が死亡したとの情報がある。

 さらに米沿岸警備隊(US Coast Guard)によれば、同州沖では移民を乗せた船がハリケーンの影響で沈没し、1人が死亡、17人が行方不明になっている。フロリダキーズ諸島(Florida Keys)に泳ぎ着いたキューバ人4人を含め、9人が救助されたという。

 イアンはフロリダ州を通過する際に熱帯暴風雨となったが、その後、大西洋上で再び勢力を強め、サウスカロライナとノースカロライナの両州に向かって北上。NHCは両州の住民に対し、イアンが最大2メートルの「生命を脅かす高潮」と暴風をもたらす可能性があると警告している。

 フロリダ州では、浸水した家屋で身動きが取れなくなるなどした多数の住民が救助を必要とする状況となった。ロン・デサンティス(Ron DeSantis)州知事は、救助隊員1000人以上が沿岸部を巡り、住民の安否を確認していると説明。死者数の公表は時期尚早だとし、死傷者に関する具体的な情報は数日以内に発表される見通しだとした。(c)AFP/Gerard MARTINEZ