【9月30日 AFP】ドイツ環境省は30日、同国とポーランドを流れるオーデル(Oder)川で今夏起きた魚の大量死は、「人為的な環境災害」とする報告書を公表した。水中の塩分濃度の上昇に伴う有毒な藻類の増殖が原因だったと指摘している。

 両国では300トン以上の魚の死骸が回収された。

 環境省は、最も可能性が高い原因は「塩分濃度の急上昇」だとした。「塩分の導入」によって「魚にとって有毒な汽水域で繁殖する藻類が爆発的に増殖した」という。

 しかし「入手可能な情報が乏しいことから、専門家は、異常な塩分濃度の上昇の原因については結論を保留する」としている。

 シュテフィ・レムケ(Steffi Lemke)環境相は、「人為的な活動」のせいであることは明白だと述べた。

 ポーランド当局は29日、独自の報告書を公表した。

 同じく有毒な藻類が魚の死因になったとしているが、増殖の原因については、夏季の高温と水位の低下による水質悪化である可能性が高いとしている。

 独週刊誌シュピーゲル(Spiegel)は、ポーランド・グウォグフ(Glogow)の銅山で高濃度の塩が検出されており、これが今回の大量死につながった可能性があるとの環境NGOグリーンピース(Greenpeace)の調査結果を報じた。(c)AFP