【9月30日 AFP】干ばつに見舞われているケニア北部で、密猟者の銃撃を5度も生き延びたアフリカゾウ「モンスーン」が死んだ。動物保護団体が29日、発表した。

 モンスーンは衰弱し、何度か倒れたため、獣医師が安楽死させた。60歳代半ばだったとみられている。

 モンスーンがいたサンブル(Samburu)は、過去40年で最悪の干ばつに見舞われている。ケニアを拠点とする野生動物保護団体「セーブ・ジ・エレファンツ(Save the Elephants)」は、加齢で体調不良になっていたところに、干ばつによって症状が悪化したとの見解を示している。

 モンスーンは約10年前、アフリカの野生ゾウの個体数が激減する要因となった密猟危機のさなか、5回も銃撃されたが生き延びた。7頭いた子どものうち2頭が密猟者に殺された。

 専門家は子どもを殺されたことがトラウマになって、モンスーンは二度と出産しないとみていたが、9年後の2018年にはサンブルで1頭出産した。

 ケニア、ソマリア、エチオピアでは4年連続雨期に雨が降っていない。これら3か国が含まれるアフリカ大陸東部「アフリカの角(Horn of Africa)」では、数百万人が極度の飢餓に陥っている。(c)AFP