【10月6日 People’s Daily】第14回「ラムサール条約」締約国会議(以下、COP14)が、2022年11月5日から13日まで、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)の東湖国家湿地公園付近をメイン会場として開催される予定だ。このような国際湿地イベントが中国で開催されるのは初めてであり、「国際湿地都市」で開催されるのも初めてだという。

 武漢市は「江城」とも呼ばれる水の都で、166の湖、165の川、1624平方キロメートルの湿地を持つ。その湿地率は18.9%に達し、さらに6万3500ヘクタールの小規模・マイクロ湿地があり、市の国土面積の7.41%を占め、昔から「百湖の市、湿地の街」という美しい異名を持つ。2022年6月、同市は「国際湿地都市」の第2陣のうちの1つに選ばれた。

 武漢市は長年にわたり湿地の生態系回復の推進に力を注ぎ、長江の環境保護、二江四岸(長江と嘉陵江地域の4つの岸線)の整備、沈湖湿地の保護と回復など、いくつかの重大な湿地生態系回復プロジェクトを実施してきた。現在、同市には10の湿地公園と5つの自然保護区があり、湿地面積の維持、都市の水質の着実な改善、湿地の生息環境の漸進的回復、鳥類の種類と数の顕著な増加など、生態系保護の複合的な成果を達成している。豊かな湿地資源は、人口1000万人級の都市である同市の持続可能な発展を支えている。

 今回の大会のテーマは「湿地を大切にし、人と自然の調和ある共生を」だ。中国の今年の主なホームグランド外交行事として、「COP14」の各準備作業は着実に進められている。

 国家林業・草原局湿地局の二級巡視員の楊鋒偉(Yang Fengwei)氏は、「COP14」は湖北省武漢市にオンラインとオフラインのメイン会場を、スイスのジュネーブにオンラインとオフラインのパラレルセッションをそれぞれ設け、人と自然の調和・共生の中国の物語を語ることを明かした。会議では「武漢宣言」を発表し、「国際湿地都市」の第2陣の都市にプレートを授与する予定となっている。ポスト2025年の世界湿地保護発展戦略的枠組みを審議・採択し、条約の発展の方向をリードしていく。

 今回の大会は、世界のマングローブ保護に関する国際協力の重要な拠点および研究プラットフォームとして、「湿地条約」国際マングローブセンターの中国での設立を推進する。また、この会議では、湿地保全に重点を置いた黄河河口域国家公園のプロモーションや、国際的に重要な湿地の新規指定など、中国における湿地保全の3つの重要な成果を発表する予定だ。

「COP14」の開催を迎えるにあたり、武漢市はモノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの技術を活用し、湿地管理のデジタル化、標準化、常態化を進めている。現在、同市は「スマート湿地」プロジェクトを立ち上げ、市内の湿地自然保護区に微気象、水質、土壌、野生動植物などの162のフロントエンドのIoTセンシングデバイスを設置し、湿地資源モニタリングの全要素、フルサイクル、フルカバレッジを可能にしている。

 今年は、中国の「ラムサール条約」加盟30周年にあたる。武漢市は、中国の生態文明建設の成果を体系的に紹介するため、東湖景勝地の廃棄された水処理場に、生態化改造を施し、中国の条約履行30周年の成果展示館とする計画があるという。現在、展示館の本体は完成し、大会終了後、無料で一般公開される予定だ。(c)People’s Daily/AFPBB News