【9月30日 AFP】米航空宇宙局(NASA)が今週実施した、探査機を小惑星に意図的に衝突させる実験の様子をジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)とハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)が撮影した画像が29日、公開された。両望遠鏡が同じ天体を観測したのは初めて。

 米国時間の26日夜に行われた実験は、小惑星の軌道を変えることが目的で、NASAの探査機「DART」が小惑星「ディモルフォス(Dimorphos)」に衝突させられた。

 英クイーンズ大学ベルファスト校(Queen's University Belfast)の宇宙物理学者アラン・フィッツシモンズ(Alan Fitzsimmons)氏はAFPに、ハッブルとジェームズ・ウェッブの両望遠鏡は小惑星のわずか数キロ以内を観測でき、DARTの爆発的な衝突で飛散した物質がはっきりと写されていると説明。「実に壮観だ」と語った。

 両望遠鏡による観測は、飛び散った物質の量と速度や、小惑星の表面の状態を解明するのに役立つ。ジェームズ・ウェッブ望遠鏡の画像が赤色で表示されているのは、同望遠鏡が主に赤外線を利用しているためで、これによりこれまで以上に宇宙の奥深くをのぞくことができる。一方、ハッブル望遠鏡の画像は可視光を捉えているため、青色になっている。(c)AFP