【9月29日 AFP】ポーランド南部クラクフの市議会は28日、英ロックバンド「ピンク・フロイド(Pink Floyd)」の創設メンバー、ロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)さんについて、ロシアのウクライナ侵攻に対する立場を問題視し、「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定する動議を全会一致で可決した。ただ、法的拘束力はないという。

 市議会の副議長は「われわれは情報戦争でロシアの肩を持ち、(ロシア大統領のウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin)氏のプロパガンダを繰り返す人物を望まない」とツイッター(Twitter)に投稿した。

 ウォーターズさんは今月、公開書簡を記し、西側諸国はウクライナに対する武器支援を停止すべきだと呼び掛けるとともに、同国のウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は「極端なナショナリズム」を容認していると批判し、「この恐ろしい戦争を終わらせる」よう求めた。

 ゼレンスキー氏の妻オレナ・ゼレンスカ(Olena Zelenska)氏は「あなたはロシア連邦の大統領に和平について求めた方がいい」と、ウォーターズさんへの反論をツイッターに投稿した。

 ウォーターズさんは2023年4月にクラクフで2回のコンサートを開催する予定だったが、今月24日に中止が発表されていた。

 ウォーターズさんはフェイスブック(Facebook)を通じ、クラクフ市議の名前を出して、市民にコンサートのボイコットを呼び掛けたと批判。「(市議は)私が人生において、個人的な犠牲を払いながら、人権に尽くしてきた取り組みの歴史を何も知らないようだ」と述べた。(c)AFP