■それでもやはり行列にはいらいら

 ブラッドリー氏ら専門家は、現代の英国では世界のどの国とも同じように、人々は大抵いらいらしながら並んでいると指摘。整列するのは英国人だけとか、誰もがきちんと並んでいるなどと考えるのは間違いだと強調する。

 英リバプール・ジョン・ムーアズ大学(Liverpool John Moores University)の歴史学者ジョー・モラン(Joe Moran)氏は、戦時中に配給が行われていた際も暴動を鎮圧するために警察が出動する事態があり、並んでいる人同士の口論は絶えなかったと話す。

「個人的には、5分以上並ぶのは耐えられませんね」とブラッドリー氏。

「他の国でも行列はできるのに、英国人はよそよそしくて堅苦しく、控えめというイメージを示すのに行列はぴったりなのです」

 エリザベス女王の弔問の際には、行列につきものの「割り込み」の軽減にテクノロジーが役立った。

 並んだ人々には自分の位置が分かる電子ブレスレットが配られ、仮設トイレに行ったり、食べ物などを買いに行ったりする時に列を離れても、簡単に元の場所に戻れるようになっていた。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT and Caroline TAIX