【9月29日 AFP】(更新)米大リーグ(MLB)、ニューヨーク・ヤンキース(New York Yankees)のアーロン・ジャッジ(Aaron Judge)が、28日のトロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)戦で今季61号の本塁打を放ち、ロジャー・マリス(Roger Maris)氏のア・リーグ最多本塁打記録に並んだ。

 7試合連続で本塁打が出ず、60号で足踏みしていたジャッジだったが、同点で迎えた7回にティム・メイザ(Tim Mayza)がフルカウントから投じた一球をスタンドに叩き込んだ。

 飛距離約120メートルの豪快な一発で、これでチームも5-3と勝ち越し。敵地ロジャーズ・センター(Rogers Centre)のファンからもスタンディングオベーションが起き、ヤンキースの選手はベンチの前でジャッジを出迎えた。

 ジャッジは8-3で勝利した試合後、打席について「流れを変えたい、きっかけをつくりたいとだけ思っていた。幸運にもプレート上に球が来て、それに対して良いスイングができた」と振り返り、「フェンスを越えてくれることを願った。最初は(越えたか)分からなかった。とても光栄だ。さまざまな感情がある。望んでいたよりも少し時間がかかったが、それでも本当に特別なこと」と話した。

 ヤンキースのレジェンドであるマリス氏は、1961年にア・リーグ記録の61本塁打をマーク。この記録は、1990年代後半のステロイド全盛期にサミー・ソーサ(Sammy Sosa)氏とマーク・マグワイア(Mark McGwire)氏に相次いで更新されるまで、MLB全体のシーズン最多記録として君臨していた。

 その後、MLB記録は2001年にバリー・ボンズ(Barry Bonds)氏が樹立した73本に塗り替えられたが、同氏も栄養補助食品会社バルコ(BALCO)社による大規模な薬物スキャンダルに関与したとされている。

 このためヤンキースを率いるアーロン・ブーン(Aaron Boone)監督は先週、ジャッジの今季の偉業はソーサ氏、マグワイア氏、ボンズ氏の記録より「1ランク上だと思う」と評価していた。

 3氏の記録がいわくつきとなっている中で、ジャッジの数字が「本物」の記録として認められるにふさわしいという声もあるが、ジャッジ本人は先日行われた「スポーツ・イラストレイテッド(Sports Illustrated)」誌とのインタビューで「73本が記録だと思う」と述べ、そうした見方から距離を取る姿勢を見せている。(c)AFP