■核爆発

 もう一つの選択肢は、核爆弾を打ち上げて、小惑星を別方向に誘導するか、破壊する方法だ。

 このテーマに関するNASAの論文は「最も危険な最大級(直径1キロ以上)の『キラー小惑星』に対して唯一有効となり得る戦略かもしれない」と評し、他の方法が失敗に終わった場合の「最後の手段」として、核による防衛を挙げている。

 だが、核爆発は地政学的見地から議論を呼んでいる上、宇宙空間での使用は法的に禁止されている。

 ロシアの科学者チームは2018年、学術誌「実験・理論物理学ジャーナル(Journal of Experimental and Theoretical Physics)」に発表した論文で、この直接爆破計画について考察している。

 E・ユー・アリストワ(E. Yu. Aristova)氏のチームは、ミニチュアの小惑星モデルにレーザーを照射する実験を行った。その結果、直径200メートルの小惑星を爆破するには、1945年に広島に投下された原爆の200倍の威力を持つ爆弾が必要と考えられることが明らかになった。

 その場合に最も効果的なのは、小惑星にドリルで穴を開け、爆弾を埋め込んでから爆発させる方法だろうと研究チームは指摘している。ハリウッド映画『アルマゲドン(Armageddon)』とまったく同じシナリオだ。(c)AFP/Issam AHMED