【10月3日 AFP】アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ(Dubai)のスーパーマーケットに、温かいパンを自動で提供する機械が登場した。機械は無料で利用できる。超富裕層が多いこの地で働く外国人労働者向けに設置されたものだ。

 ロシアによるウクライナ侵攻に伴う世界的な物価高は、ドバイにも影響を及ぼしている。

 物価高が外国人労働者に苦しい生活を強いる中、無料でパンを提供する機械が国内10か所のスーパーマーケットに設置された。タッチスクリーンを操作して、サンドイッチ用のパンやピタパン、インドの平たいチャパティなどを選ぶことができる。

 機械にはクレジットカードの読み取り機能が備わっている。これは、パンの代金を支払うためのものではなく、富裕層が寄付のために利用するものだという。

 洗車場で働いているというネパール人の若者は、「ここに無料のパンがあると友人から聞いたので来てみました」と話した。

 ドバイ政府統計センターによると、7月の食料価格指数は前年同月比で8.75%上昇した。

 この機械は、ドバイ首長でUAEの首相兼副大統領でもあるムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid al-Maktoum)氏が設立した財団の取り組みだ。

 豊かな産油国UAEの人口約1000万人のうち、9割は外国人。主にアジアやアフリカからの出稼ぎ労働者となっている。(c)AFP/Sahar AL ATTAR