【9月27日 AFP】チュニジアで先週、果物と野菜を売っていた露天商が地元議員にはかりを押収された後に自殺したことを受け、抗議デモが広がっており、警察は26日、町長を一時拘束した。司法当局の報道官が明らかにした。

 報道によると、モハメド・アミン・ドリディさん(25)は、果物や野菜を売るのに使っていた電子はかりが押収された2日後の24日、首をつって亡くなった。

 これを受け25日夜には、首都チュニス南部に位置するドリディさんの出身地モルナグ(Mornag)で、失業率の高さと生活費高騰に抗議するデモが発生。デモ隊はタイヤに火を付け大通りを封鎖した。一方、警察はデモ排除のため催涙弾を発射した。

 チュニジアでは2010年にも、ムハンマド・ブアジジ(Mohamed Bouazizi)さんが警察の嫌がらせや失業に抗議するため中部シティブジッド(Sidi Bouzid)で焼身自殺をしたことがきっかけで、失業率の高さや生活費高騰に抗議する大規模デモが発生。最終的にジン・アビディン・ベンアリ(Zine El Abidine Ben Ali)政権が崩壊した。

 ドリディさんの自殺をめぐっては、捜査の一環でモルナグのオマル・ヒルバウィ(Omar Hirbaoui)町長が警察に一時拘束されたと、司法報道官が明らかにした。

 内務省は、ドリディさんが「深刻な家庭の問題」に悩んでいたと説明した。しかし、ドリディさんの兄弟は26日、地元ラジオ局のインタビューに対し、そのような事実はないと否定している。(c)AFP