【9月27日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は26日、洪水で壊滅的な被害を受けたパキスタンに対し、同国とパートナー関係にある中国に債務軽減を求めるよう呼び掛けた。

 ブリンケン氏は米首都ワシントンでパキスタンのビラーワル・ブットー・ザルダリ(Bilawal Bhutto Zardari)外相と会談し、強力に支援すると約束。一方で、「債務軽減・再編に向けた重要課題に中国も関与するようパキスタン側から働き掛けるよう求めた。それが実現すれば、洪水からの復興を早められるだろう」と述べた。

 パキスタンにとって中国は経済・政治分野における重要パートナー。両国は、中国とインド洋を結ぶ540億ドル(約7兆8000億円)規模のインフラ整備事業「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」を進めている。ただ、同事業は国内の反政府武装組織の攻撃対象となっている。

 CPECを通じて中国は利益を得るのに対し、パキスタンは持続不可能な水準の債務を抱えることになると米国は繰り返し警告。しかし、パキスタンは耳を傾けてこなかった。

 パキスタンでは先月、豪雨による洪水が発生し、国土の3分の1が水没した。死者は約1600人に上り、うち3分の1が子どもだった。700万人以上が避難を余儀なくされた。

 米国は5600万ドル(約80億円)の人道支援のほか、航空機17機分の物資、長期支援の提供を表明している。(c)AFP/Shaun TANDON