【9月27日 AFP】ウクライナ侵攻への動員を逃れようとしている数多くのロシア人男性の一人であるニキータさん(23)は、2日間にわたる交通渋滞を乗り越え、ようやく隣国ジョージアにたどり着いた。

 2月の侵攻開始以来、ジョージアにはロシアを逃れた人々が多数入国してきたが、最近の動員令を受け、新たに兵役対象年齢のロシア人男性たちが大挙して押し寄せるようになった。こうした人々は、車で約20キロに及ぶ列をなしたり、自転車や徒歩で長距離を移動したりして、国境を越えようとしている。

 ニキータさんはAFPに「ロシアから逃れる以外に選択肢がない」と語った。「一体なぜ、私があの狂った戦争に行く必要があるのか? 私は使い捨て要員ではない。人殺しではない」

 ニキータさんを含め、AFPの取材に応じた男性の大半は、報復を恐れて姓を名乗らなかった。

 生産管理者の職に就くアレクサンドル・スダコフさん(32)は、強権支配を強めるウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権下で20年間暮らしてきたが、「今回の動員で、もう我慢ができなくなった」と語る。「ウクライナ人は私たちの兄弟だ。彼らを殺すため、あるいは殺されるためにウクライナに行くことなんて、どうやったらできるのか?」

 アレクサンドルさんによれば、ロシア人がビザ(査証)なしで入国し最長1年間滞在できるジョージアは、動員から逃れる人たちにとって一番人気の行き先になっているという。

 アレクサンドルさんは、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)に残してきた妻と幼い息子と合流できた際には、欧州連合(EU)加盟国への亡命申請を検討するつもりだと語った。

■警察の「腐敗」で交通渋滞

 ジョージアと国境を接する地域の当局によると、国境付近には約2300台の車が長い列をつくっている。

 ニキータさんは、「野放図な腐敗」が渋滞の原因となっていると語った。警察が、定期的に交通を遮断して渋滞をわざとつくり出し、国境越えに必死になっている人々から金をせびっているのだという。「今はジョージアの国境まで20キロ進むのに3日間かかるが、警察に賄賂を支払えばたった数時間で国境まで連れて行ってもらえる」

 アレクサンドルさんは警察に17万円を払ったが、それでも国境に着くまで約30時間かかったという。