【9月27日 東方新報】中国で金のジュエリーというと中高年の女性が中心というイメージがあるが、最近はZ世代の若者が消費の主流となりつつある。

 今年上半期(1~6月)、中国で金装飾品の消費量は前年同期比17%減の281トンにとどまった。ワールドゴールドカウンシル(WGC)中国地区の王立新(Wang Lixin)最高経営責任者(CEO)は「第2四半期(4~6月)はもともと金消費のオフシーズンですが、コロナ禍の影響で市民の消費意欲も落ちました」と話す。

 しかし7月に入ると売り上げが増加。老舗宝飾店「老鳳祥(Lao Feng Xiang)」は、上海市内の店舗の売り上げが前年同月比30%増となった。同社マーケティング部の王恩生(Wang Ensheng)部長は「コロナ禍が収まったリベンジ消費や金価格低下の影響もありますが、恋人へのプレゼントや結婚式のための購入も目立ちます」と話す。

 中国では七夕節(旧暦の7月7日、今年は8月4日)に男性が彼女にプレゼントするのが定番となっている。プレゼントは花束やアクセサリーが多い中、金のジュエリーを選ぶ若者カップルが増えている。また、中秋節(旧暦の8月15日、今年は9月10日)や建国記念日の国慶節(10月1日)に合わせた連休がある秋は、親族や知人が集まりやすい結婚式のシーズン。結婚を控えたカップルが金のジュエリーを購入している。

 中国で金の装飾品というと、中高年の女性がゴテゴテした指輪やネックレスをつけ、デザインより金の重さや値段を自慢しているようなイメージがあり、若者には「太土(ダサい、イモっぽい)」と映っていた。「土」は「外見や振る舞いのセンスがない」という意味合いだ。

 しかしここ数年、アンティーク調や金糸を使ったおしゃれなジュエリーが増え、若者の間で欧米ブランドの銀のジュエリーから中国ブランドの金のジュエリーへと好みが変化している。

 中国の流行語でお金がない状態を「吃土(土を食べる)」と言う。今や若い女性の間では「土を食べても金のジュエリーが欲しい」という人が増えている。(c)東方新報/AFPBB News