【9月28日 CNS】中国・江西省(Jiangxi)にある中国最大の淡水湖・ハ陽湖(Poyang Lake)の水質の改善が進み、湖の水域でスナメリが大幅に増加している。スナメリは国際自然保護連合(IUCN)レッドリストで絶滅危惧種に指定され、生息数が少ないことから「水中のパンダ」とも呼ばれている。

 ハ陽湖はスナメリをはじめ多くの希少種や絶滅危惧種が生息し、生物多様性保全のための重要な保護地域だ。江西省生態環境局水生態環境課の董良雲(Dong Liangyun)課長は、汚染物質の総リン酸塩の濃度は2018年に1リットル中0.082ミリに達したが、今年上半期には0.057ミリにまで下がった。

 ハ陽湖につながる贛江(Gan River)本流の水質も飛躍的な改善されている。優良水質の割合は2012年の79.2%から2021年には100%を達成した。

 董課長は「一帯の水域には、長年見られていなかった魚の個体群が現れている」と話す。ハ陽湖の水域に生息するスナメリの数は、2017年の457頭から2021年には700頭以上に増加。江西省南昌市(Nanchang)揚子洲(Yangzizhou)の水域では40数年ぶりにスナメリが現れた。

 江西省生態環境局の徐延彬(Xu Yanbin)局長は「昼は青い空と白い雲が広がり、夜は星がきらめくことが当たり前となった。澄んだ水と緑の堤防、そして魚が浅瀬を泳ぎ、人と自然が共生する環境が整っている」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News