【9月26日 People’s Daily】中国の飲食業では、以前より総菜が活用されており、もともと、主にレストランやホテルで、商品の規格化や食事提供の効率化のために利用されていた。近年、総菜は一般消費者の間でも人気が高まっている。多くの消費者は、総菜を買えば、野菜を買ったり洗ったり、味付けを考えたりする必要もなく、自宅で包装を開け、加熱したり、炒めたりするだけのわずか数分の手間でおいしい料理を完成させることができる。

 今、中国の家庭の食卓には、より多くの手軽でおいしい総菜が並ぶようになっている。統計によると、2022年以降、総菜の売り上げは急速に伸びており、天猫(Tmall)の総菜の売上高は、2022年のメーデー連休中に前年同期比80%以上、京東(JD.com)のビッグセール「618セール」期間中の前年同期比は230%以上の増加となった。2022年5月だけで、フーマー工坊(盒馬工坊)の半製品・総菜の売上高は前年同期比で倍増となったという。

 近年、各地域の消費者ニーズの多様化に伴い、多くの老舗中華料理店やチェーン店が総菜ブランドを立ち上げているほか、一部の産業チェーンの川上産業である調味料メーカーも、総菜の開発に力を入れてきている。また、フーマーフレッシュ(盒馬鮮生、Fresh Hema)、美団買菜(Meituan Grocery)、京東スーパー、毎日優鮮(MissFresh)、叮咚買菜(Dingdong Maicai)等のECプラットフォームは、次々と総菜商戦への参戦を宣言している。現在、京東のみの店頭に並ぶ総菜は5000種類を超えている。公開データによると、2022年5月現在、中国の総菜関連企業は6万6700社に達している。美団買菜の総菜プロジェクトの責任者の李峰(Li Feng)氏は、「ECプラットフォームは、開発経験のないケータリング業者の総菜ビジネスへの迅速な参入をサポートできる。そうした業者は、プラットフォームの販路を活用することで、オフライン主体の業務からオンライン・オフラインの統合業務への転換を進め、地域のケータリングブランドの全国展開を狙うことができる」と述べた。

 総菜産業は、川上においては、田畑等の地域振興につながり、川下においては、消費の変化につながり、地域振興戦略の実施、内需拡大、消費促進に大きな意義を持ち、広いマーケット開拓の展望もある。中国総菜産業連盟のデータによると、中国の総菜の市場規模は、2021年に3500億元(約7兆145億円)、2022年には4100億元(約8兆2170億円)、5年後には1兆元(約20兆円)以上に達すると予想されている。

 現在、中国の多くの地域で総菜産業の発展を支援する施策が導入され、関連規格も次々と打ち出されている。2022年1月、中国国家発展改革委員会は「直近の消費促進に関する通知」を発表し、半製品や洗浄済みの野菜の販売の奨励に言及している。広東省(Guangdong)、福建省(Fujian)、山東省(Shandong)なども、総菜産業の発展に関する政策を打ち出し、地域の総菜産業の発展を促している。同年、中国料理協会も正式に総菜の団体規格を発表し、総菜の原材料と補助材料、製品規格、生産工程の衛生、表示、包装、保存の要件などを明確に規定した。6月28日、中国飯店協会は「総菜の品質管理規範」と「総菜産品の分類と評価」という2つの団体規格を発表し、総菜の品質等級と生産品質管理の標準ガイドラインを示した。(c)People’s Daily/AFPBB News