【9月26日 AFP】男子テニスの欧州チームとワールドチームの対抗戦、レーバー・カップ(Laver Cup 2022)は25日、英ロンドンで最終日が行われ、フランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)らにけん引されたワールドチームが13-8で欧州チームを破り、大会初優勝を果たした。

 ポイント4-8でこの日を迎え、優勝には4試合中3試合に勝つ必要があったワールドチームは、フェリックス・オジェ・アリアシム(Felix Auger-Aliassime、カナダ)/ジャック・ソック(Jack Sock、米国)組がマッテオ・ベレッティーニ(Matteo Berrettini、イタリア)/アンディ・マレー(Andy Murray、英国)組に2-6、6-3、10-8で勝利すると、連戦のオジェ・アリアシムがノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を6-3、7-6(7-3)で見事に撃破。ジョコビッチに5月以来の土をつけるとともに、同選手から初白星を挙げ、ワールドチームが逆転に成功した。

 そして迎えた3試合目で、ティアフォーはステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)を相手にマッチポイントを4回しのぎ、1-6、7-6(13-11)、10-8の劇的な逆転勝利を収めた。これにより、ワールドチームが1試合を残して開催5回目での初優勝を決めた。

 ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)も、自身が立ち上げに関わった大会のトロフィーを掲げて現役を終えることを望んでいたが、最後はティアフォーらワールドチームをたたえた。

 フェデラーは「チームワールドにおめでとうを言いたい。見事な巻き返しだった」と話し、「感傷的になったこともあったが、素晴らしい時間を過ごせた。どれだけ感謝してもしきれない。一分一分を楽しめた」と語った。また、「来年を楽しみにしている。私も現地へ行き、別の立場から両チームをサポートするつもりだ」と、来年のカナダ大会に姿を見せることも約束した。

 欧州チームはウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2022)王者のジョコビッチや元世界1位のマレーらを起用したが、ワールドチームがティアフォーとカナダの新星オジェ・アリアシムの活躍で逆転したのは象徴的だった。24歳のティアフォーと22歳のオジェ・アリアシムは、フェデラーが引退し、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とマレーもキャリアの晩年に差しかかる中、主役を担うことが期待される世代に属している。

 ティアフォーは「信じられない気持ちだ。監督のジョニー・マック(ジョン・マッケンロー<John McEnroe>氏)は、もう負けるのにうんざりで、ずっと汚い言葉を吐きっぱなしだった。だけど自分は、今回は僕らの年だと言い続けてきた。僕だけでなく、みんなが際立っていた」と話した。(c)AFP