【9月24日 AFP】輝かしいキャリアに幕を下ろした男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は、自分の姿を見られるのはこれが最後ではなく、今後は「違う種類のテニスコート」で再会できるはずだとファンに誓った。

 四大大会(グランドスラム)通算20勝を誇るフェデラーは23日、欧州チームとワールドチームの対抗戦、レーバー・カップ(Laver Cup 2022)で盟友ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とペアを組み、ダブルスに出場。試合はワールドチームのジャック・ソック(Jack Sock、米国)/フランシス・ティアフォー(Frances Tiafoe、米国)組に6-4、6-7(2-7)、9-11で敗れた。

 キャリアを通じてトレードマークとなっていた持ち前の冷静さを取り戻したフェデラーは、24日未明に行われた試合後の記者会見で、「これが最後の最後ではない。人生は続いていく」とし、「自分は健康でハッピーだし、全てが最高だ」と語った。

「自分からのメッセージは、とにかくこの競技への自分の情熱をファンに伝えていくということだ。そして、世界のどこかのこれまでと違う種類のテニスコートで、皆さんと再会することを願っていると知らせておきたい」

「いつ、どこで、どのようにとか、何かしらの計画は全くない。分かっているのは、ぜひとも今まで行ったことがない場所へ赴いてプレーするとか、これから何年もかけて、ずっと自分をサポートしてくれた全ての人々に感謝しに行くということだ」

 膝の故障で2021年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2021)を最後にツアーから遠ざかっていたフェデラーは、23日夜に開幕したレーバー・カップに向けて調整を続けていた中で、「かなり神経質」になるときもあったと明かした。

「最後の2日間は、控えめに言ってもタフだった」としつつ、「ありがたいことに、そのことをすっかり忘れた瞬間に、ぐっすり眠ることができた。全てが素晴らしく、楽しむことができたと感じている」と語った。

「そのおかげで、どうだったかよく思い出すことができるのではないかと考えている。ずっとストレスを感じてばかりでただ完璧を追い求めているときは、半分くらいしか思い出せないものだからね」

 一方、ナダルも「超感動的」な最後を迎えるタフな一日だったと認め、「テニス史上に残るこのような素晴らしい瞬間に加わることができ、それと同時に何年にもわたって多くの物事を共有できたのは、とてつもなく光栄だった」と述べた。

「ロジャーがツアーからいなくなると、自分の人生の大切な一部も去ってしまう」 (c)AFP/John WEAVER