【9月23日 AFP】大量のゴンドウクジラが打ち上げられたオーストラリア・タスマニア(Tasmania)州西部では、23日も生き残ったクジラの救助活動が続けられた。今回の大量漂着では、すでに約200頭が死んでいる。

 州の自然動物当局によると、オーシャンビーチ(Ocean Beach)に今も残っており、生きているクジラは10頭未満。

 当局者によると、22日には約30頭が海に返されたが、一部は浜辺に再び打ち上げられた。

 同当局者は、「優先事項は今も、残りのクジラを海に返すことだ」と語った。その後に行われるのが、死骸の処分だとしている。

 当局はフォークリフトで死骸を移動させ、尾を海に向けて並べた。尾には白いロープがくくり付けられた。このロープを引いて、一度に大量の死骸を沖にえい航し、遺棄する。

 死骸を浅瀬や浜辺に残しておくと、サメを呼び寄せたり、感染症を引き起こしたりする恐れがある。

 クジラが浜辺に大量に打ち上げられる原因は、依然解明されていない。餌を求めて海岸に近づき過ぎることが原因という説があるほか、ゴンドウクジラは社会性が極めて高いことから、仲間が危険にさらされてもついていく可能性もあるという。

 また、タスマニア州の浜辺のように緩やかな傾斜がある海では、超音波の反響で周囲の状況を把握するクジラの能力が妨げられ、沖にいると誤解しやすくなるという見方もある。(c)AFP/Andrew LEESON