【9月23日 AFP】世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は22日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)について、収束宣言は「まだ遠い」との見方を示した。

 パンデミックについて、テドロス氏は先週、「終わらせる上でこれまでで最も有利な状況にある」「終わりが視野に入ってきた」と述べた。米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領は18日に放映されたインタビューでさらに踏み込み、米国では「終わった」と述べていた。

 しかし、テドロス氏は22日、米ニューヨークで国連総会(UN General Assembly)に合わせて開いた記者会見で、「終わりが視野に入ったのであって、終わりに到達したわけではない」と述べた。

 続けて「私たちは長く暗いトンネルの中で2年半過ごしてきたが、ようやく終わりにある光がかすかに見えるようになってきたところだ」として、「しかし先はまだ長く、トンネルはまだ暗い。注意しなければつまずきかねない障害物も多い」「われわれはまだトンネルの中にいる」と強調した。

 テドロス氏は世界がパンデミックを終わらせる上で絶好の状況にあるのに変わりはないと強調した上で、世界の1週間当たりの死者数は減少し続けており、ピークだった2021年1月の10%となっていると説明した。(c)AFP