【9月23日 AFP】「テニスの紳士」「テニスの神」。男子テニスのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)の現役最後のステージが近づく中、引退を耐えられずにいるファンからは惜しむ声が聞こえた。

 41歳のフェデラーは23日、英ロンドンで行われる欧州チームとワールドチームの対抗戦レーバー・カップ(Laver Cup 2022)で、長年のライバルであるラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)とダブルスを組み、現役最後の試合に臨む。前日の22日には、練習する姿だけでも見ようと、大勢のファンがチケットを求めて列をつくった。

 スイス国旗に見立て、赤のTシャツにフェデラーの名前で白い十字架をつくったジュディス・フラベルさん(68)は「彼こそが最高」とフェデラーをたたえ、「史上最高の選手は誰かという議論があるのは知っている。何を基準にするかによって、3人(フェデラー、ナダル、ノバク・ジョコビッチ<Novak Djokovic、セルビア>)のうち誰かになるだろうけど、私にとっては彼がテニスの紳士」と語った。

 緑色のフェデラーの帽子をかぶって並んでいたナイア・マーティンさん(27)は「この日を恐れていた」と話す。「彼のテニスだけでなく、ツアーでの振る舞い方が大好きだった。彼は真のジェントルマン。彼をウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で見るのは最高。あの場所と名誉に完璧にふさわしい選手だった」

 ジェニー・ダグラスさん(50)は、フェデラーを「テニスの神」と呼び、「彼は本当にハンサムで美しい選手。見ていてもとてもスタイリッシュだし、技術だけでなくスポーツマンシップに関しても、長年テニスに多大な影響を与えた」と語った。

「(引退の瞬間は)きっと打ちのめされてしまう。今年のウィンブルドンに出場できなくてとても残念だったし、これが最後の大会だと思うと本当に悲しい。今後、解説者席でもっと彼の姿を見られたらと思う」

「彼はあまりにも簡単そうにプレーする。本当にエレガントで真のジェントルマン」と話すのは、ナダルファンだというキャシー・ギアリーさん(56)。「彼がいないと寂しい。間違いなく史上最高の選手」と称賛した。

 列の中でも最も若いファンの一人で、大会にも出場しているというアレックス・パードーくん(9)は「わくわくしている。彼のプレーが好きで、これまでずっとインスピレーションをもらってきた。引退は悲しいけれど、自分の考えでは彼は最高の選手の一人だ」と話した。(c)AFP/John WEAVER