【9月23日 CNS】「すべては一から始まり、どこへ向かうのか?」。これは、中関村壱号「デジタルインテリジェンスONE」プロモーションビデオの最初のシーンで投げかけられた問いだ。中関村(Zhongguancun)壱号の担当者は9月7日、北京商報(Beijing Business Today)に「中関村壱号の産業は未来にインパクトをもたらす。この科学テクノロジーは無限なものだと言いたい」と答えている。

 中関村壱号は、人工知能(AI)、商業宇宙飛行、フィンテックなどのハードテック分野を中心とした産業の方向性を示すグローバルなハードテックAIイノベーションセンターと位置づけられている。現在、同パークには132社のハードテック企業があり、2020年の総生産額は200億元(約4093億円)を超えている。その中には、50社近くのAI分野の企業もいる。

「もしもし、朝陽(Chaoyang)公安分局詐欺対策センターです、注意喚起です。今日詐欺の電話がありましたか?」。このような強い北京なまりの不正防止情報通知は、「デジタル人間」の口から発せられたものとはとても思えない。

 北京声智科技有限公司(SoundAI)は、中関村壱号パークのメンバーであり、前述の公安部門(警察署)と共同開発した不正防止AIインテリジェント発信システムの技術的な裏付けを有している。「デジタル警察」の通報件数は、現在1日6万件から7万件に及ぶ。

 中関村壱号のブランドリーダーである張紅(Zhang Hong)氏は、AI産業の国際的なリーディングエコシステムはすべて中関村にあり、国のAIの基幹人材の約50%も中関村にいると語った。

 勃興する「中関村壱号」は、中関村科学城の北区にあるランドマークパークであり、北京国際科学技術イノベーションセンターの「三城一区」建設のメインプラットフォームの縮図でもある。

 現在も将来も、企業のイノベーションの裏には、北京が国際科学イノベーションセンターを建設する大きな原動力にある。「三城一区」は、同センター建設のメインプラットフォームで、中関村科学城、懐柔科学城、未来科学城、革新型産業クラスターモデル区を含み、海淀区(Haidian)、懐柔区(Huairou)、密雲県(Miyun)、昌平区(Changping)、順義区(Shunyi)、北京経済技術開発区に位置している。「三城一区」は、市内のわずか6%足らずの面積で、市全体のGDPの1/3に貢献している。

 現在、「三城一区」のメインプラットフォーム建設は新たな進展をみせている。北京量子情報科学研究院が、世界最長の量子直接通信距離100キロを初めて達成した。また、北京智源人工智能研究院(BAAI)も世界一高精度スマート線虫「天宝(MetaWorm)」を発表した。

 北京市統計局がこのほど発表したデータによると、2021年に北京全市の研究開発(R&D)経費投入とその投入強度がまたしても過去最高を記録した。中でもR&D経費の地域総生産比率は6.53%に達し、過去3年間、年々上昇傾向にあるという。

 北京市科学技術研究院科学技術情報研究所の張士運(Zhang Shiyun)所長は、近年、北京には国家級の大型科学技術インフラが多数建設・運用され、メガサイエンス装置の数は中国第一位で、基礎研究分野の受賞成果も大幅に増えた。脳科学、単細胞オミクス、ウイルス学、クラウドエッジコラボレーション、シリコン系光電子、低次元物質などのフロンティア分野では、国際的に影響力のある独創的で革新的な成果が多数生まれ、国際科学技術イノベーションセンターの指導力と影響力がさらに高まったと述べた。(c)CNS-北京商報/JCM/AFPBB News