【9月22日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は21日、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)が撮影した海王星とその輪の画像を公開した。光る海王星と、塵(ちり、固体微粒子)に富む複数の細い輪が鮮明に捉えられている。

 太陽系の最も外側にある惑星の海王星。これほどはっきりした画像が得られたのは、NASAの探査機ボイジャー2号(Voyager 2)が史上初にして唯一のフライバイ(接近通過)観測を実施した1989年以来のことだ。この時の観測はわずか数時間で終わった。

 ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)で撮影された以前の画像では、大気に含まれるメタンにより、海王星は深い青色に見える。

 だが、ウェッブ望遠鏡の主要撮像装置である近赤外線カメラ「NIRCam」が捉えた海王星は灰白色で、表面に氷の雲のしま模様が見えている。

 欧州宇宙機関(ESA)の科学探査担当シニアアドバイザー、マーク・マコックラン(Mark McCaughrean)氏は「海王星の輪は、赤外域での反射率がより高い」と述べ、「そのため、はるかに見えやすくなっている」と説明した。

 ウェッブ望遠鏡は、海王星の既知の衛星14個のうちの7個も捉えた。

 ズームアウトした画像で、海王星の上に輝いて見えるのは巨大衛星トリトン(Triton)だ。トリトンは準惑星の冥王星より大きい。

 天文学者は、地球に似た太陽系外惑星を探すために宇宙を走査観測している。これまで天の川銀河(銀河系、Milky Way)で最も多く観測されているのは、海王星や天王星のような巨大氷惑星だ。

「海王星や天王星の詳細な観測が可能になることで、他の(巨大氷惑星の)観測データの意味を理解できるようになる」と、マコックラン氏は話した。(c)AFP/Daniel Lawler