【9月21日 People’s Daily】このほど、あるオーストラリアの消費者は、上海汽車(SAIC)が生産するZS EVという純電気自動車(BEV)を2週間にわたって徹底的に体験した。彼女は、航続距離の長さや5つ星評価を受けた衝突安全性能などに大いに満足し、強力なインテリジェントセーフティー機能にも深い印象を受けた。中国の「造車新勢力」と称される新興EVブランドが次々と国際市場に参入する中、海外ユーザーの中国車への関心は高まる一方だ。

「中国車の時代が到来した」。上海汽車の社長補佐で、上海汽車グループ国際業務部の余徳(Yu De)部長は、次のように述べた。中国自動車工業協会(CAAM)が発表した最新の統計データによると、2022年6月、中国自動車企業の輸出台数は24万9000台で、前期比1.8%増、前年同期比57.4%増と過去最高となった。2022年上半期、中国の輸出台数は合計121万8000台、前年同期比で47.1%増となった。新エネルギー車の分野では、2021年以降、中国の新エネルギー車輸出は爆発的な伸びを示し、年間輸出台数は31万台で、前年同期比で3倍増となり、今年上半期、中国の新エネルギー車の輸出台数は20万2000台で、前年同期比1.3倍増となったという。中国の自動車輸出が急ピッチで進んでいる。

 中国ブランド車の先進国市場への参入や、増え続けるユーザーからの認知は、商品力・ブランド力の着実な向上なくしては達成できない。 現在、中国の主流自動車ブランドは、完成車、シャシー、エンジン、トランスミッション(変速機)などの分野で完全な自己開発能力を有しており、動力電池技術は世界をリードし、純電気乗用車の平均航続距離は400キロメートル以上に伸びている。複合型運転支援システム搭載の乗用車は、新車市場の20%を占めている。2021年、中国企業は3万件以上の新エネルギー車関連の特許を取得し、世界シェアの70%に達した。中国の自動車産業チェーンのレイアウトは改善を続け、全製品と完全なサポートを備えた世界最大の産業システムを形成し、グローバルな供給体制に深く組み込まれ、重要な生産・供給基地になりつつある。

 中国の自動車メーカーは、市場ごとに異なる商品・サービス戦略を策定している。例えば、一部の国では道路の凹凸が激しいため、上海汽車のエンジニアは車両の高度を高くした。高緯度の極寒の地で電気自動車の加速性能と急速充電性能を確保するため、長安汽車(Chang’an Automobile Group)は「スーパーセット(超集)」電気駆動と「高周波パルス加熱技術」を開発した。これにより、氷点下30度の気温下でもバッテリーの温度を5分間で20度まで上げることが可能になった。

 新エネルギーとスマートネット接続分野における中国車の先行者優位は、欧州の消費者の中国ブランドに対する従来の認識に変化をもたらそうとしている。新エネルギー車の急ピッチでの海外進出とともに、欧州は中国の自動車輸出の主要な増産市場になりつつある。中国税関のデータによると、昨年、中国の欧州向け自動車輸出は204%増加した。中国の新エネルギー車の輸出国トップ10のうち、ベルギー、英国、ドイツ、フランスなどの先進国が上位にランクインしているという。長城汽車(Great Wall Motor)欧州の強孫兵(Qiang Sunbing)副総裁は、多くの欧州の消費者や協力パートナーは、中国が電動化やインテリジェンス化分野で、新たな自動車の発展トレンドをリードしているとみていると述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News