【9月21日 AFP】イスラエルで発見された約3500年前の陶製のつぼなどからアヘンの残留物が検出された。調査チームが20日、発表した。古代の葬儀でアヘンが使われていたとする説を裏付けるものだとしている。

 中部イェフド(Yehud)で青銅器時代後期の墓が複数発見されたことを受け、イスラエル考古学庁(IAA)とワイズマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)は2012年から共同で調査を行ってきた。

 発掘現場からは紀元前14世紀ごろのケシの花をかたどった陶器が複数見つかった。アヘンはケシから作られることから、これらの器にアヘンが入れられていたか調べたところ、「八つの器からアヘンの残留物」が検出されたという。

 さらに、パレスチナ地方のカナン(Canaan)で葬儀の際にアヘンが使われていたことが、古い文献により示されていた。

 考古学庁の考古学者ロン・べエリ(Ron Be'eri)氏は、これらの陶器は儀式用の食事を入れたり、死者の家族が儀礼や儀式を行うために墓に置かれたりした可能性が高いと話した。

 べエリ氏によると、こうした儀式では「家族や家族を代表する神職者」が「死者の魂を呼び出すため、アヘンを使って恍惚(こうこつ)状態になった」と考えられる。

 ただ、古代の風習は判明していないことが多く、「アヘンがどう使われていたかについては想像の域を出ない」と話した。(c)AFP